介護職をしている人がみんなコミュニケーション上手とは限らない。むしろ、話が苦手と言う人も多いのではないだろうか。ただ、どうしても人が相手の仕事だけに、会話という部分が重要視されてくるのは確かだ。特に比較的年齢が若い介護職の人たちにとって、お年寄りと話の内容を合わせるのに大変と感じることもあるだろう。
年を取ってくると過去のことを思い出すことが増える。何度も過去の同じ話を繰り返したりするのも、その人にとってはとても大切なことだからだ。無理に新しい話題を提供するよりも、相槌を打ったり繰り返したりすることでとても満たされることがある。
話が続かなくて困った時には、お年寄りの子ども時代や故郷の話を聞いてみるのも一つの方法だ。誰にでも子ども時代や育った故郷はあり、楽しく遊んだ友達や故郷の光景が思い出されて、喜んで話してくれるお年寄りが多い。介護職の人も自分の子ども時代と比較するなど、話を発展させることができる。さらに、その当時に流行っていたものなどを調べることで、話題の内容をより深めていくことができる。
ひとくくりに高齢者といっても男女の別があり、性別によって盛り上がりやすい話題がある。全ての人に当てはまるわけではないが、男性なら仕事、女性なら子育てである。仕事の話を聞きながらアドバイスを求めたり、子育ての楽しさや難しかったことなどを聞くと、普段無口だった人が楽しそうに話してくれることもある。
その他にも天気や時事ネタなど仕事で使える話題はたくさんあるので、苦手だと思う前にまずは話題を探してみるといい。
高齢者との会話で一番大切なのは会話を楽しむという気持ちだ。高齢者と話していて楽しいと感じるようになったら、コミュニケーションの力も付いてきたと言えるのである。