ラポール法を活用すべし

介護の現場で仕事をするにあたり、利用者とコミュニケーションをとることはとても大切だ。そして利用者とのコミュニケーションを円滑にするコツは、「ラポール法」というコミュニケーション技術にある。

ラポール法は、「ミラーリング」、「マッチング」、「バックトラッキング」の3つの技術からなる。

ミラーリングとは、相手の動作や姿勢に合わせることをいう。介護職員は、利用者が車椅子を使用している高齢者の場合は、姿勢を低くして利用者の目線に合わせて話すことが基本だ。

次に、マッチングとは、相手が話すのに合わせて声の大きさやトーン、自分の話すスピードを調整する技術のことである。介護を受ける利用者が、話すスピードの遅い高齢者である場合は、介護職員はまくしたてるように話さないように特に注意する必要がある。

そして、高齢者との会話でとても有効なのがバックトラッキングという技術だ。バックトラッキングは、相手の発言を活用しながら会話を進めていく技術で、相手の発言を繰り返すことで話を聞いているという態度を示すことができる。たとえば、利用者が「私は元気だよ」と言ったら、介護職員が「うん、元気だよ」とおうむ返しのように利用者に返すことで会話をゆっくりと進めていくことができるのだ。

そして、介護職員がラポール法の技術を駆使する前提として、利用者の話をしっかりと聴く姿勢が大切になる。利用者のする話は愚痴っぽいものもあるかもしれない。しかし忍耐強く傾聴する姿勢が身について、はじめて介護における利用者とのコミュニケーションは成り立つのだ。